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トナミの最後の言葉を耳にしたリカルドは、苦笑いをしながらその場から去った。
それを見ていたトナミの秘書の1人が近づき、「宜しいのですか?あのような言葉を言われて?」と聞いてきた。
トナミはリカルドの背中に視線を向けながら「構わんさ。いずれ、彼も・・・」と、その後の言葉を濁した。
トナミはぶらぶらと会場を歩いた。しかし、その行動には意図があり、最終的には国連事務総長のアルマミハラの側まで近づいた。
アルマミハラと話をしていた各国の要人がトナミに気づく。
「おぉ、トナミ。最高のスピーチでした」
「ありがとう。賛同して戴けると助かります」
トナミは深々と頭を下げながら話す。
「しかし・・・洋上に生活の場を求めるとは夢がない。100年前の君の祖国のアニメテレビのような夢がある話かと思ったが、開いてみれば現実的な話だった」
トナミは笑顔を見せながら、「当然、私の頭の中には宇宙に生活の場を求める構想もあります。ですが、現実的に考えてみてください。それを行動に移した偉人はいますか?洋上に生活の場を求めた人がいますか?枯渇する化石燃料に頼る中東ロシア。それが温暖化への誘発だと気づくべきであり、彼らこそ、宇宙への移住。第二故郷計画を実現するべきでは無いですか?」と熱く語った。
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