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ジャックは車を降りるなり、ポケットからガムを取り出し口の中に放り込む。そして、クチャクチャと汚らしい音を立てながらガムを噛み始めた。
『右のエレベーター付近に移動しろ』
ジャックの脳に直接話しかけてくる声が聞こえると、ジャックは静かに右の方へ視線を向け、場所を確認すると、軽く頷いてから歩き出した。
トナミはそのまま受付に行くと、自分の名前と部屋番号を伝える。
ホテルの受付は名前と部屋番号を確認しながら、「メッセージ等はありません」と答え、部屋期のカードキーを渡してくれた。トナミはそれを受け取ると、エレベーターの前に立つジャックに目で合図を送り、同じエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターは二人を乗せたまま25階まで上がる。
25階に到着すると、トナミとジャックは黙ったままエレベーターを降り、トナミの部屋へと向かう。
部屋の前に着くと、ジャックは左右を聞いするそぶりを見せながら周囲を確認する。
「どうぞ」
周りに視線を向けつつ、ジャックはトナミに合図の言葉を掛けた。
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