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彼との出会いは、高校の入学式の翌日だった。ホームルームで担任が語っている最中、前の席から声をかけてきたのが陽太だった。
「なぁ、部活決めた?」
話しかけてきた男子は、小麦色の肌に、引き締まった顔つき。中学校では運動部だったんだろうと勝手に推測した。
運動部は苦手だ。中学の時、体育会系のノリについていけずに運動部のいわゆる「陽キャラ」から嘲笑の対象にされてきたから。
「いきなり悪い。俺、陽太。太陽を逆からで陽太」
「あ、オグニです。小さい国で、小国」
「敬語?かったいな小国。せっかくだしタメじゃだめ?」
「お前ら、静かにしろ!」と担任の叱責で、会話が途切れる。
「す、すみません!」晴翔は裏返った声で謝る。
あぁ、印象悪いだろうな。初日から怒られてしまった。一方、陽太は特に気にしていないようで、ニッと笑みを浮かべて前を向いた。
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