まつりのにわ

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 ホームルームが終わり、真っ直ぐ帰るつもりでいた晴翔を引き止めたのも、また陽太だった。 「悪いわるい、俺後ろ向いたから一緒に怒られたな。下の名前は?」と特に何とも思っていなさそうな笑顔で、話しかけてきた。 「名前は、ハルト。春に飛翔の翔」顔が紅潮する。  なれないタメ口に、朴訥とした話し方になる。 「じゃあ、ハル!ハルは中学どこなん?てか、部活なんだった?」  陽太はお構いなしに質問を投げてくる。なんでこの人は初対面なのにこんな突っ込めるんだろう? 「中学は滝沢。部活は吹部。サックスを吹いていたんだけど」 「すげえ、楽器吹けるんだ!」  陽太にも同じ質問を返すと、一関の中学を卒業し、寮生活を始めたという。 「陸上してたんだけどね、足壊しちゃって」 「陸上続けるのは難しいの?」と聞いてみる。 「時間かかるってさ。だから、一緒に吹部見にいこう!」 「え?」  晴翔は冗談だと思っていたが、顔は本気だった。 「ハル、吹部続けないの?俺しばらく走れないし、楽器始めようかなって」 「待って、本当に言ってるの?」半信半疑で聞いてみる晴翔。 「とりあえず、見てみるだけ!」という陽太に強引に音楽室へ連れて行かれた。内心、少し嬉しかった。  
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