ひとり上手

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 透はマウンテンハットに戻って行った。  しかし、また閉店後に、店で作ったネギたっぷりで、生姜の効いたお粥と氷枕を持って現れて、横になったままの希美に食べさせた。 「あ!あたし、モーニングのお金払ってない」 「まあ、ツケにしとくよ」  レンゲで希美の口にお粥を押し込みながら、透は笑って言った。 「なあ、今だけ限定でいいから、合鍵くれる?病人をいちいち起こせないだろ?」  いつの間にか透は、希美に対して馴れ馴れしい話し方になってる。  希美は黙って、透に合鍵を渡した。  あれからどれくらい経ったのだろう。  外はまだ暗かったが、頭を起こすと、希美はまた、ひとりぼっちだった。
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