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オープンしてから10年になるマウンテンハットのマスター青木透は、父親に資金を出してもらい、母親と一緒にこの店を始めたのである。
希美はオープン当初からの客であり、大切な常連客なのであった。
それに希美は、今時浮いた感じのしない女性だった。
浮いた感じというのは、今まさに黄色い声を上げて、周りに迷惑になっている、あんな女のことである。
チーンとマスターのお母さんが、ベルを鳴らして、料理が出来上がったことを知らせていた。
希美に出すカフェラテを優先したマスターが受け渡し口にやっと顔を出すと、早く持っていきなさいと厨房の母親から嗜められていた。
もちろん料理は出来立てを出したいという、マスターの母親のこだわりである。
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