ひとり上手

21/23
前へ
/23ページ
次へ
 このまま死んでも、透が見つけてくれるかも知れないと思い、希美は口元を緩めた。  透は朝晩、毎日希美の部屋に来た。  透が毎日来てくれると、希美はマウンテンハットにそんなに行きたくはならなかった。  そして自分は毎日のように、あそこに透の顔を見に行っていたのかと、希美は気付いた。  熱も引いて、希美の具合はだいぶ良くなった。  瞳と透は、どこまで進んでいたのだろうか。  透がその気になれば、瞳はいつでも透を受け入れただろう。  男なんて、瞳みたいな抱き心地の良さそうな女を拒むのは難しいだろう。  今何時だろうか。  希美が気付くと、ベッドに突っ伏して、寝ている透を見つけたのだ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加