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希美はそっと透の手を取り、布団の中に招き入れた。
透の身体は少し冷たかった。
それは自分の身体がまだ熱いのかも知れなかったが、希美は透に抱いて欲しかった。
風邪が移るかも知れないけれど、瞳とカウンターであんなにイチャイチャするところを見せつけて、その若い女とクリスマスに寝たかもしれない透が、希美は憎かった。
それに、風邪を引いているけど、それでも弱っている自分を抱いて欲しいと、透にわがままを言いたかった。
もうどうなってもいい。
この後、どんなに修羅場になろうと、今は、今だけは、透に抱いて欲しいと、希美は切望した。
「ねえ、俺にはずっと好きな人がいたんだ」
何度もセックスをした後、透は言った。
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