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――配属早々、忙しいだろうな。
警察学校修了の日のスタンの言葉は、まさに「カッサンドラの予言」だった。
トロントでは、本当に「配属早々」から忙しかった。
僕が実務研修で配属されたのは、空港だ。
とにかくシフトはきつかった。
僕の着任に先立って、すでに「今期の首席が配属になる」っていう前評判が立っていたらしくてさ。そのせいで、風当たりも厳しかったのかもしれない。
空港ってところには、本当にまいるよ。
誰からだって声をかけられる。何から何まであらゆることを尋ねらるんだ。
ウォッシュルームの場所とか、フェデックスの差出窓口とか。
「訊かれたことを、いちいち答えなくていい。その疑問が空港の『どこに行けば解決するか』だけ覚えておけ」
警官になって初めての僕の「相棒」。退職間近のベテラン警官からのアドバイスが、これだった。
まさに、空港勤務で最も役に立った助言だったね。
じきに、僕はトロントの別の支部に移った。
そこでは新たにペーパーワークに忙殺されることになった。
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