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結局、僕は、ジャン=ピエールに連れられて映画に行くことになった。
そこは、フランス映画ばかりかけているような小さな映画館で、僕や友達なんかにはおおよそ縁のないところだった。
観た映画のタイトルは忘れてしまった。
画家が知り合いの若い画家の恋人をモデルに裸婦画を描くっていう、すごく長い映画だった。普通の映画の倍以上あったんじゃないかな。
ずっと女の人の裸ばっかり映っていて、さすがにちょっと困ってしまった。
今考えると、あんな映画、小学生の子が見たりして、レーティングは大丈夫だったのだろうか。
そもそも、話の内容もちゃんとは覚えていないくらいで、その時の僕にはやっぱり、映画自体、ちょっと難解だったのかもしれない。
映画が終わり、外に出た時には、正直ぐったりした気分だった。一方、ジャン=ピエールはというと、それなりに満足そうにみえた。
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