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無我夢中で、スタンのドレスシャツのボタンの隙間に指を差し入れた。 スタンのぬくもりが伝わってくる。 下腹部が燃えあがった。 身体の最奥が疼く。いいや、もう身体中のあらゆる場所が、悲鳴を上げていた。 「なんて呼びたいんだ?」 耳元で、スタンが囁く。 その首筋にむしゃぶりつくような口づけを返しながら、僕は必死にこう言った。 「……『スタン』だ。昔からずっとそう呼んでた、心の中では」 スタンが、小さな含み笑いを洩らした。 僕の頭の中で「やめろ」と叫んでいた誰かは、もうとっくにどこかに消えてしまっていた。 そしてそいつは、二度と戻ってはこなかった。 スタンのシャツのボタンを外し、しなやかな筋肉に包まれた胸に、そして腕にキスを浴びせる。 僕の熱烈な愛撫を受け続けても、スタンは、眉をひそめるような、僅かに苦しげな表情を見せるだけだった。 石のように冷徹なポーカーフェースを、全く崩さぬままで。 やがて、スタンのくちびるから吐息が洩れ出し始める。 それは、ほんの微かだったけれど、僕の欲望は猛烈に刺激された。 スタンが僕のニットの裾から手を滑り込ませてきた。 そして、胸の突起の回りで、そっと指を動かし続ける。 ああ、ちゃんと触ってくれればいいのに、スタン! なんてひどい焦らし方。 僕は悲鳴のような喘ぎ声を止められない。 スタンのもう片方の手が、僕の足の付け根に降りて来た。 その指先が、僕のジーンズのボタンを外し、ジッパーを引き下げる。 「早く、触って」 とうとう、僕はこう口にしてしまう。 スタンの中指が、僕の乳首に軽く触れた。 微かな、だけど痺れるような刺激。 スタンは、鋭く小刻みの刺激を、胸の尖りに加えていく。 僕の身体は、もう自分の意思とはまるで無関係に震えておののいた。 くずれ落ちるみたいにして、僕は床に跪く。 スタンの胸元から段々に、下の方へとキスを続けた。 僕の口づけは、とうとう、スタンの制服のベルトの上にまで達する。 「……いい?」 そう訊ねれば、スタンは無言のまま、僕の頭をすこし乱暴に掴んで引き寄せる。 夢中で、スタンのベルトのバックルを外し、ジッパーを下げた。 そして、アンダーウェアと一緒に、スタンのスラックスを足首まで引き下ろす。 これまで、何度も何度も想像した。 妄想の中で、それに触れ、それを口内に含み、舐め尽くした。 スタンのその部分。 ああ、すごい。 大きくて、熱くて固い。 スタン―― はち切れそうに屹立して、激しく脈動してる。 スタンのペニスを、僕は両手で包む。 そして、それにそっと舌を這わせた。 すぐに、そんなことでは、全然物足りなくなる。 僕は口の中いっぱいに、スタンを含んでしゃぶり尽くした。 先を激しく舐め回し、吸い上げる。 舌を付け根にまで這わせた。 大きさと固さをいっそう増していくスタン自身を、僕は必死で愛撫する。 スタンが腰を動かし始めた。 そう、もっともっと―― もっと犯して、スタン。 ――僕を。 僕の髪をまさぐるスタンの指先に、力が入り始める。 スタンが息を飲み、短く唸り声を立てた。 すごく「いい」んだね? スタン。 もっといっぱい乱れて。 ねえ……もっと声を上げてよ? そして僕を呼んで―― 僕を……呼んで。 祈るみたいに僕は、頭の中で絶叫する。 達して、いって、スタン。 お願いだよ。僕の中を、スタンでいっぱいにして。 僕は、スタンの腰を掴んで引き寄せた。 その瞬間、スタンの背中が、ひとつ大きく痙攣する。 スタンの腰の動きが、急激に小刻みになった。 口内に、スタンの部分が激しく擦りつけられる。 そしてスタンは、先端が僕の喉元にまで届くほどに、自分自身を深く押し込むと、熱い液体を止めどなく僕の中へと放出させた。 スタンを舐めてる。 スタンを飲み干してる。 信じられないような悦びだった。 精を放っているスタンのペニスの激しい痙攣を、口中で感じながら。 忘我のあまり、僕は子供みたいに、ボロボロと涙をこぼし続けていた。
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