#7 危険な誘い

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「スレンダーだし、モデルさんでもやってるのかな?」 男たちの質問を悠希は答える必要はないと無視した。 「緊張しちゃってるね、初めてさんはいいね」 「そんな怖い顔しなくて大丈夫だよ」 はははと男たちが嬉しそうに笑うのが悠希は気に入らない。 「大柄な子で、もしかしたら暴れるかもしれないから二人でなんて言われたけど、正解だったみたいだねえ」 男に言葉にもう一人がうんうんと笑顔でうなずき、悠希を上から下まで遠慮なく見る。 「僕のタイプにドンピシャだ、久々に当たりで嬉しいね、大枚の価値はある。さて先にシャワーかな、僕たちはそのままで構わないけど。汗とか汚いのとか、大好物なんだ」 「相変わらず中村さんは変態だなあ、僕は石鹸の香りのほうが好みだね。じゃあ中村さんが存分に楽しんだあとひと風呂浴びてもらってから僕が──」 「生憎だが、俺はカマを掘る趣味も掘られる趣味もない」 男性としての地声で悠希は宣言した、二人の男はきょとんと悠希を見上げ、二人で顔を見合わせる。 「悪いが他を当たってくれ」 悠希は笑顔を見せ、いつもならば絶対にしないこと──ブラウスのボタンを外し胸をはだけさせた。下着ごとずらせば男性としか見えない胸板が覗く、女性ホルモンの注射で以前に比べれば多少膨らみは出たと思うが、女性のそれからは程遠いサイズだ。 「は……! 男!」 二人の驚きに自分は女性として売られたのだと理解した、腹立たしさに腸が煮えくり返る。 「金を返せ!」 男たちがわめき散らす。 「俺は一円たりとももらっていない、支払った本人から返してもらってくれ」
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