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「でしょう? しかもごめんなさいね、この子が言わないから今わかったんだけど、処女なのよ。ジャックさん、処女にこだわりがおありだったでしょう?」
「いやいや、お恥ずかしい。これくらいの年の子で、処女かどうかは気にしてなかったけど、これだけかわいくて処女を守ったと言うなら賞賛に値するね。いいよ、上乗せでお支払いしましょう」
「ありがとうございます、その分30分延長しますわ」
双方は天音の意思など全く関係なく、勝手に商談を進めた。
「帰る!」
「バカなことを言って親の顔に泥を塗らないの」
周子は天音を部屋の奥に押し込んだ、その反対の手で男から代金を受け取る。男は丁寧に代金を封筒に入れていたが、追加料金は財布から1万円を出して周子に差し出す。
「いつもどうも。じゃあ、ごゆっくり」
周子は妖艶に微笑み、ドアを閉めようとノブに手をかけた。
「ママ!」
声をかけ追いかけようとした天音を男が抱いて止める、周子の笑顔がドアの向こうに消えた、錠は自動でかかってしまう。
「あの! 私、いきなり連れてこられて、何も聞いてないし、そんなつもりで来てなくて! お金ならお返ししますから、帰らせてください!」
見逃してほしいと懸命に懇願した、お金はさすがに今すぐは手持ちにないが、預貯金から捻出できる。
「ああ、そうなんだ。まあ悪い人たちだよね、家出した子なんかに声をかけてこういう稼ぎ方を教えるんだ。初めての子をよく僕に回してくれるんだよね、僕の調教が、いいらしくて……」
初めの数回だけは女の子が逃げられないようにとホテルまで送り届けるのだ、余程覚悟がある娘ならば別だが、やむなく始めた子は逃げてしまうことも多く、そうするようになった。
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