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(初めて触れるのがこんな見ず知らずのおじさんだなんて……!)
乳房を寄せては離し、掴んでは揉みしだく。先端は親指の腹でこすり、時には押し込み盛り上がってくるのを楽しみ、人差し指と挟み揉んでは引っ張る、その間はずっと天音を見つめていた、反応を楽しんでいるんだろう、そのいやらしい視線を不快に感じ天音は目を合わせないよう、硬く目を閉じた。
(いやだ、いやだ、いやだ、早く終わって……!)
天音は顔を手で覆い視線から逃れて懸命に祈った。今ここで終われば自分はまだ清いままだと言える。ずっと思い続けた男の姿が脳裏を過ぎる、女性になってしまっていても諦めきれないその人を──だが男は体をずらした、天音の足を無理矢理開き、そこへ自身の体を押し込む。
「ひ……っ」
悲鳴が漏れる、まだ互いに衣服を着ているが、男の熱いものが秘密の場所に当たり恐怖を覚えた。見ず知らずの男に初めてを捧げたくないと心の底から願う。
幸いにも男はまだじらす気だ。天音の胸に顔を埋め、左右から乳房を寄せ自分の頬に押し当て感触を味わう。そのまま顔を左右に振りながら唇と舌を這わせた。
おぞましさに天音は嫌だ嫌だと声を上げ続ける、男の肩を押したが動かない、体をずらし逃げようとすれば男に肩を掴まれそれを阻止されてしまう、足をばたつかせても気にならないようだ。
「お願いです、お願いですから……今日は、許してください……!」
小さな声で何度も何度も懇願した、だが男は天音の乳房に夢中で返事すらしない。
その時空気が震えるのを天音に感じた、なんだと思ったが、長さから電話だと分かる。
(私の……!?)
幸い男は天音の乳房を堪能することに意識が集中し、着信には気づいていないようだ。
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