冷酷令嬢の世界~これが私の人生~

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 殿下と私は別々の教室で勉強をしている。勉強時間が終わり、お昼の休憩になると、私は殿下の教室に向かう。私が教室を覗くと、殿下が楽し気に誰かと笑っている姿が見える。 (ご友人と話しているのかしら?)  首を傾けて、殿下の隣に居る人を見る。その瞬間、胸がチクりと痛んだ。 (ご令嬢と話していたのね……。私といる時よりも楽しそう……)  いつもなら、殿下に声をかけて一緒にお昼ご飯を食べるけど、私は引き返し自分の教室に戻る。教室に入ると、令嬢や令息の方々が私を見て驚いた表情を浮かべる。よく話しかけてくれる令嬢のリリスが近づいてきて「あれ?ダリア様、今日は王太子様とご飯を食べないのですか?」と聞く。私は「えぇ、ご友人の方々と楽しそうに話しているようだったので。今日は何も言わずに戻ってきたの。だから、一緒に食事してもよろしいかしら?」と言う。リリスは嬉しそうな表情を浮かべて「もちろんですわ!」と笑った。      
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