詩➀ 空の失恋

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詩➀ 空の失恋

 今日はお空が凍えてる。雪をパラパラ振らせて、どうしたのかなぁ。  そっか、きっと失恋したのね。フユヤマさん家のみかんの木に告白して、振られたのね。だって、ほら。さっきから、みかんの木、風にのって、枝をガタゴトガタゴト揺らしてるわ。 「もう、お空さん、なんていって告白したの?」  まぁ、あなたの美しいみかんの実を、一年中眺めたいって?  あらあら。みかんって、冬にしか実らないのに。まったく、お空のおバカさん。  そう言うと、納得したのか、振り切ったのか、お空はパアッとポカポカのお日様の光を届けてくれたの。
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