ちび巫女との出会い

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 しばらくすると、ナツヒの兄であるトバリがそこに、アオジを連れて駆け込んできた。  しゅっとした背格好のため高いところにある彼の顔を、ユウナギは下からうっとり見つめる。彼は知性と清潔感のありあまる、20歳の好青年だ。さらさらと流れる短髪で、まなざしに温和な気性が表れ、一見、人の上に立つ者の迫力に無縁そうであるが、これがなかなか手厳しい一面もあるらしい。  ところで、冷静な彼にしては珍しく興奮している。どうやら少女の言ったとおり、記録の書が見つかった様子。  まだよく読んではいないが、彼の先祖が書いたものだということは確実で、彼は少女に褒美を取らせたいと言う。  そこでユウナギはすかさず、少女を客人として自分の屋敷に招くと提案した。  それに対し、いらぬ、と少女が言おうとしたその時、ユウナギは彼女の口を押さえ、アオジに少女の家へ連絡するよう命じる。  そして口をふさいだまま、にっこり微笑んだ。 「はい、決まり決まり! しばらくうちで、お、も、て、な、し~~」  それ以上少女は何も言わなくなった。5歳児を黙らせる大人げない14歳である。
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