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余命が宣告された
あと1年の命
私はまだ生きたい
仕事も恋も途中だ
長く続く治療のはじまりだった
帰り道 花屋の前を通った
なんだかきらきら眩しい花屋
花が生き生きとしていた
それに惹かれた私は花を眺める
手に取ったのは「ナノハナ」
日を浴びて輝くその可愛さ
にこり笑う黄色い花びらに
希望を感じ
その花の切り花を買った
お気に入りの花瓶にさす
しかし日が経つと水が茶色くなっていった
まるで病に侵される体のよう
水が腐っていた
水の入れ替えが必要だったのだ
だが悪いものがうつりそうで
怖くて手に取れなかった
ナノハナは枯れてしまった
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