騙した女(最終回)

1/1
前へ
/9ページ
次へ

騙した女(最終回)

次の日、新聞を見た。何も昨日の惨劇の報道はされて無かった。 テレビのニュースでも取り上げてはいない。 人が三人ぐらい死んでいるのだ、何故、警察は動かない。 もしかしたら、あの黒尽くめの男達が、遺体を処理したのだろうか? だとするならば、大きな組織の犯行だと言える。 きっと組織が、夢のマシンの情報を掴み、狙ったのであろう。 5000万円も当然、奴らのものになっている。 残念なのは、美人の玲子さんが亡くなった事だ。 小山内もそうだ。あの優秀な頭脳が亡くなったのは、科学界にとって大きな痛手になるはずだ。 此の事をリリ子に伝えた。 リリ子はまたも泣き出した。 「私のお金返して、。5000万、返してよ。」 と泣きじゃくっている。だが、小山田の事には全くふれない。 「もう、全て諦めよう。私達の叶う相手では無い。」 と私は、リリ子に言ったが、でも、リリ子は泣き続けた。                           見苦しく。 次の日、私はリリ子を連れて事件現場に行った。 何も無い。マシンの椅子も、遺体はもちろんの事だが無い。 飛び散った血液の痕跡さえも綺麗に、除去されていた。 まさしく、プロの仕業。 しかも闇の仕事人だと恐怖を感じた。 次に、夢工房に向かった。 何も無い。秀子さんも居ない。 綺麗に引っ越ししたみたいになっている。 まさか、秀子さんまで、殺されたりはしないだろう。と思ったが 物凄く不安になった。 もう、あの二人に二度と会うことも無いのか、それを思った時、 愛犬のロンを 亡くした時のことを思い出した。 警察に届けても、どうにも出来ないであろう。 遺体も、その痕跡すら無いのだから。 三人の遺体は見つかってはいないが、いつかは、悪事がバレる日がくるだろう。 悪の栄えた、ためしはないはずだから。 だが、数年後、、、、、。リリ子は、、、、、。 リリ子は哀れな女だ。子供の頃から、僻み根性が強く、私と比べられる度に、劣等感に襲われれ、何とか自分をよく見せる為に、嘘を平然とつくようになっていった。 「リリ子だから、仕方ない。」 親類の人にも言われ、多くの同級生からも言われた。 友達と言える人も誰一人いなかった。 私の嫉妬からなのか、私を馬鹿にする事だけに優越感を持っていたのだろう。 さほど頭が良くは無かったが、勉強だけは人一倍し、成績が優秀だった事が、唯一の自慢だった。 人間にとって、何が大事か分からぬまま、育った。 父も、リリ子には甘く接した。 私には厳しかったが、リリ子だけを溺愛した。 その事も、リリ子が不幸になった原因かも知れない。 母親はリリ子と性格が合わずに喧嘩をよくしていたが、父が亡くなった後は、 リリ子の言う事を聞かざるを得ない立場になった。 母を私から離し、父の財産と母のお金全て自分の物にした。 美貌も、メグより数段落ちる、その事もコンプレックになっていたのだろう。 信じる事が出来るのは、お金だけ。哀れな人間だ。 嘘をでっち上げ、倫理観の薄い弁護士と組み、法律に反する事なく上手く活用して、法律で認められているから当然と人からお金を巻き上げる。 多くの人達の恨みを買っても仕方がない事だ。 嘘はいくら言っても、真実にはならない。 「嘘は雄弁、真実は訥弁」 真実を語ろうとする時、記憶を辿りながら話す為に滑らかに話す事は、困難である。 嘘は作って話す為、滑らかに話すことが出来ると言う意味である。 また、インデアンの言葉にこの様な言葉もある。 「正々堂々と勝負して勝った勝者は敗者を労わり、  卑怯な手を使って勝った勝者は敗者を罵る」 卑怯者は自分を正当化する為に、敗者を批判。誹謗するのだ。 リリ子は、まさしくそう言う人間だった。 今回の事はリリ子にとって、良い教訓となって欲しい。 リリ子は一晩中泣いていたからか、整形で創作した顔が、崩れ、生まれた時の顔よりも酷くなった。 整形の医師が言うには、 「元に戻すのは、不可能」 との事であった。おそらく、度重なる整形で直す場所が無いみたいだ。 リリ子とって一番大事な事とは何かを早く察して欲しい。 醜い顔になる事で、本当の綺麗な心を取り戻して欲しいものだ。 このまま、この小説が終わり、完結したのであれ、悲劇で終わった小説となってしまいます。 これは笑いをモットーにする筆者のポリシーに反します。 ここは、続編で笑っていただけなければ、筆者として悔いが残ります。 騙された女(真実編)があります。ご期待ください。 ここで、所轄君から、一言あるそうです。 騙された女の主人公は孝明がさせていただきます。 他の主人公の人達からの強い要望があり、ワタクシ孝明がさせて頂きます。 ご期待有れ、、。 本当は、睨めっこで勝ったのですが、、、。 良い歳してるので、睨めっこで決めたとは、 口が裂けても、いや本当に 口が裂けたら 言えない。 ひとまず、完                            
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加