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騙した女(4)
兄貴はビックリした様に私を見たわ。
また一段と綺麗になったと思ってビックリしたのね。
それとも、此のマシンを独り占めにしようと思ってきたのに、私がいたので
ビックリしたのかも。
太った女と仲が良いみたい。親しそうに喋っているのよ。
久しぶりに会った妹を差し置いて、なんて事。メグも怒っていたわ。
兄貴は別の所で、男と話してるの。聞き耳を立ててると、マシンがどうしたとか、お金はどうしたとか、言っているの。
気になったので、近くに行ったの。
そしたらね、此のマシンの特許を自分がお爺さんから譲られたって言っているの。以前、お爺さんの記憶を頭に送信される条件で此のマシンの権利を譲られたと言ってるのよ。その契約書もあると言っているの。
兄貴だけに良い思いは絶対にさせない。って、この時決意したの。
それから、数週間経ってね。夢房工の女から連絡があったの。
そしてね、メグと一緒に夢房工の女に会いに行ったの。
三人で車に乗って、夢の島って所に行ったの。
「車?は何ですか」 なんで、そんな事聞くの。おかしな人ね。
車は、レクサスの新車だったわ。最近、景気が良いらしく税金対策で買ったと言ってたわね。 夢房工の女がね。
着いた所ところがね、人には気付かれにくい場合なの。
神秘的にした方が、興味をそそる、と女が言っていたわ。
出迎えに来た男が、色っぽいのよ。上顎と下顎が上手く噛み合わないのよ。
色っぽいと思わない?。
私はこう言う色っぽい男性、好き。
そしてね、日本人離れした、言葉を使うの、良く解らないけど、
素敵だわ。
この人なら信じる事が出来るって直感で思ったの。
だって、遊びに来る男達って、着飾り、化粧などして、自分はイケメンという雰囲気を作って女を誘惑するでしょ。
此の人は何も着飾りなどしない、自然のまんまの人。
信じられる人。
建物の中に入ったの。何て神秘的な感じ。
今にも妖精達が出て来そう。
大きな椅子があるの。
これがあのマシンね。兄貴が独り占めしようとしても無理よ。
絶対にさせないから。
あの、素敵な男性が何か説明していたの。
日本語で言ってほしかったんだけど、英語で言っていたみたいで良く分からなかった。
でも、メグは英語が分かるのね。メグってハーフぽいから英語の勉強したみたい。
最初にメグが椅子に座ったのそれから、メグが眠った様になって、十五分ぐらい経ったらメグが目を覚ましたの。
凄く喜んでいたわ。夢房工の社長に抱きついて。
泣きながら言っているの。
「夢が叶った」と泣いているの。
この思い出を現実にすると言っているの。
次は私ね。
私の夢はクレオパトラになる事、と言うかクレオパトラの様に男達を利用して権力を得るの。
全ての民衆が私の前に跪くわ。
夢でも良いから此の様な気持、一度はあじわいたいわ。
振り返ってみれば、私の今までの人生、とくに子供の頃は悲惨だった。
馬鹿な兄貴と稼ぎの少ない父親の為に私は苦労したわ。
私なら、もっと多くの富と権力を持てるはずよ。
今は、その様になりつつは有るけどね。
私は椅子に座り、頭に帽子を被せらたの。
そしたらね、感電したみたいな感じがしてね。
気がついたらそこは、日本じゃ無いのよ。
ぼろぼろの服を着てるの、何でと思ったのよ。約束違うわってね。
意地悪な女達が、私を虐めるの。三人でよってたかって、虐めるの。
私、泣いたわ、ベッドの上では無いけど、一人で泣いたわ。
そしたらね、黒い服を着たおばあさんが私の元にやって来たの。
魔法使いみたいな、おばあさんなの。
「貴方は何故泣いているの」
って聞くから、虐められたからって言ったの。
そしたらね。
おばあさんがね。
「この珠を挙げる。此の珠に願い事をすると何でも叶えられるは筈だと思う」
て、曖昧な事を言うのね。思うって何よて、思わない。
でもそんな事言って、気を悪くされても嫌だからとりあえずもらったの。
そしたらね。おばあさんが
「たしか、これ一つの珠では、願い事は叶わないはずだったと思う。
もう一つ必要だったかな?」
って言うの。またも、曖昧に。
他のは何処に有るのよ、ってイラだって聞いたのよ。
「何処か、わからないけど,
男が持っているのは確かですよ。」
と言って、ここは断定したの。
じゃ、私、どうやって探せば良いの。って聞いたらね、
「大丈夫、その珠を持っていたら、持っているもの同士、磁石の様に吸いつけられるのよ。安心してね。」
と言ってサッと去って行ったの。
此の続きはまた今度ね。
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