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騙した女(6)
これからが大事なところよ。よく聞いてね。
此の夢を叶えるビジネス、どの様に儲けるかを考える前に、誰が事業をやり、社長になるかを決めないといけないの。
先ず、マシンの権利を兄貴が持っているのね。
兄貴の許可無くして、マシンを作る事が出来ないの。
私の彼氏は改良しただけだから、権利ないのよ。残念だわ。
権利さえ有れば、彼氏と組んで大儲け出来たのに。
あの、夢房工の女はただの雇われ人よ。全く権利なんか無いわ。
力も無いし。無能よ。
以前、兄貴と話していた男いたでしょう。
そいつが言うの。
兄貴からその権利を買ってはどうかってね。
で、幾らって聞いたらね。
「最低でも、5000万円はするでしょ」
って言うの。さらに男が言うの。
「此のビジネスが上手くいくのは、目に見えてます。
世界各国に広まるでしょう。そうしたら、此の利益は想像出来ないくらい
莫大なものとなります。ビルゲイツも青ざめるくらいでしょう」
って言うのね。
私の彼も頷いているの。英語でね。
そしたらね、メグもお金出します。って言うの。子供の癖にね。
メグもお金には目が無いのよ。
また、男が言うの
「お兄さんを上手く誤魔化して、その権利を5000万円で買ったらどうでしょうか?」
誤魔化すってどの様に?
「このマシンはせいぜい3000万だけど、5000万で
買ってあげると恩着せがましく言うのです。もちろんその時は、私も
お手伝い致します」
「私もお手伝いしますわ。」
と、女が言ったの嬉しいそうに。その訳はね。
「私、妹さんには申し訳無いですが、貴女のお兄さんが嫌いなの。
私をやらしい目で見るの。気味が悪い。お兄さんと組むより、貴方の様な、聡明で美しい人と組んで、お仕事がしたいわ。
その時は、もちろん貴方が社長です。
お兄さんの社長何て、いや。セクハラされるわ。間違いなく。」
と言って泣き出しそうなのよ。あの女。
私の彼も英語で頷いているの。よく分からなかったけど。
それで、決めたのよ。兄貴と話して5000万円で買う事を
もちろん、他の人にも相談したわ。
私の愛人の弁護士の矢崎良にもね。
そしたらね、矢崎の奴 私に彼が出来た事の嫉妬したのね。
返事が曖昧だったの、
「いい話だから、買った方がいいのでは無いかな。」
って言うから、買う事に決めたの。
そしてね、兄貴と交渉し上手く騙せたのよ。
本当に兄貴って馬鹿。
あの男と、女と彼が上手く言ってくれたのよ。
兄貴は私を疑っていたけど、商談成立ね。
これで私は、大儲けできるわ。大金持ちになって、夢を叶えるのよ。
商談の話は次の機会に話すわね。
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