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騙した女(7)
小説パート4(7)
商談は日を改めててしたの。
前に行った、夢の島で行われたの。
兄貴がね、現金と引き換えじゃなきゃ嫌だと言うの。
馬鹿丸出しと思ったんだけど、銀行振り込みだと、証拠が残るからって言うのよ、税金対策ね。
現金なら証拠は残ら無い。
兄貴も少しはお利口さんになったのね。
夢の島には、私と彼と女と
三人が待っている時に、兄貴が来たの。
私は先ず権利書を見せもらったの。
そこには、おじいちゃんの懐かしい字が書いてあったわ。
[私の発明した全ての特許、権利を孝明に譲る。]
と書いてあるの、あと色々書いてあったの、よく分から無いから
彼に見てもらったの。
日本語で書いてあるのに、彼はわかるのね。素敵だわ、凄いわ。
女もこれで安心って顔してたわ。
私は5000万円入っている封筒を差し出したの。
私の全財産よ。私の全て。私の命。私の様な女が、わずかな間で、
此の様な大金を稼ぐ為には人知れない努力をしたの。
わかるでしょ。
兄貴は平然と受け取ろうとした時、
「数えた方がいいよ、後で揉めるの嫌だから」
って女が言うの。銀行から出したのだから有るに決まっているのに、
馬鹿女と思った時に、物音が聞こえたの。
それも、大きな音が、、、。
突然、ドアが開いたの。
男がやって来て叫ぶのよ。。
「玲子、よくも裏切ったな。殺してやる」
と言って、ライフルの様な銃で女を狙ったの。
私、身をかがめたわ。その時、、
一発の銃声が響いたの。
驚いた事に、一発打っただけなのに、女と、彼から血が出てるの。
(まさしく、一石二鳥ね。)思ったのだけれども、感心している場合では無いわ。
私は恐怖に慄いたの。彼も女も完全に死んでいるわ。
男はその銃口を私に向けたの。
「お前も殺す」と言って。
殺すなら、兄貴を先にしてと思った時に、兄貴は、その銃先に飛びついたの。
格闘になったわ。
兄貴強いのね。子供の頃クラスで喧嘩が一番強いって自慢していた事、嘘じゃなっかった。睨めっこもそうだわ。一番強いって言っていたわ。
私は、兄貴が格闘してる間に、逃げ出したの、命あってのもの種よ。
兄貴も格闘にの末、逃げたわ。私を追う様に。
そうしたら、一発の銃声が聞こえたの。
男、自殺したみたい。
外に出ると不気味で体の大きい男がいるの。
まさしく、あれって言う感じの人。安岡力也みたいな男。
サングラスかけて、黒い服を着ていたわ。
今は冷静だけど、此の時は何がなんだかわからなくなっていたわ。
その、安岡力也に似た男が、脅すの
「お前ら、ここで見た事をサツに話したら、分かっているだろうな。」
私、怖かったわ。
兄貴も怯えてた。
外に出ると、何人かの黒ずくめの男がいたの。まさしく、あれの人達よ
私は逃げたわ。兄の軽トラで。必死に逃げたけど、スピード出ないの。
怖かったわ。
でも、落ちついてくると、あのお金はないの。
兄も持っていない。あの黒尽くめの男達が持っていったのか?
落とし物扱いにされ届けくれることなどは皆無よ。
引き返して、取り返す事など出来ない。
私は泣いたわ。一晩中。女は泣く事しか出来ないの。
河島英吾も言っていたわ。泣きつかれ泣いたの。
そして、鏡を見たら、、、、、。
私の口からは言えないわ。
ここからは兄貴に代わってもらう。
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