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22 トイレから戻った文也は長机に頬杖をついてぼんやりパソコンを弄る関を見て気持ちを落ち着かせた。 「何してるの?」 「高橋さん、お帰りなさい。あぁ〜…これは…パズルっすね」 仕事のまとめでもしていたのかと期待させていたら申し訳ないと、遊んでいた事を打ち明ける関。 文也はさっきまでの緊張が更に抜けるように肩の力が抜けた。 「ハハ、そんな叱られる前の子供みたいな顔しないで。休憩だったんだから、気にしなくていいよ」 文也は関のシルバーの髪をポンポンと撫でた。 うんうん、魅力的なイケメンでも、やっぱり年相応だ。さっきの色気満載だった藍くんだって同い年なんだ。よし、ちょっと落ち着いて来たぞ。 文也は気を取り直しサラサラの関の頭に乗せた手を離し、ホワイトボードに向き直ろうとしたその時だった。 文也は会議室の入り口に立っている藍と目が合い、うっかり関の髪に触れたまま一瞬固まってしまった。 「せぇ〜きぃ〜っっ!!」 大型犬が牙を剥いて飛びかかって来るんじゃないかと文也は手を引っ込めた。 「バカッ!俺は何もっ!」 肩を掴まれ前後に揺さぶられる関が首をガクガクさせながら喚いた。 「何でお前ばっか!」 「こっ!こらっ!藍くんっ!離しなさいっ!」 「高橋さぁ〜んっ!あんまりですぅ〜!」 涙声の藍に文也は苦笑いしながら肩をすくめた。 「僕は二人とも大事な新人だと思ってるから!さぁ!バカな事で騒いでないで続き始めるよ」 文也は明るい藍の切り返しに感謝した。 さっきの喫煙ルームでの事を引きずりながら勉強会をするのが気まずいと思っていたからだ。
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