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6 「高橋さんと…どんな関係?結構年の差あるよな?あの人、凄く若く見えるけど」 関は高そうなビジネスリュックにノートパソコンをしまいながら藍に呟いた。 「あぁ…うん、俺が高一の時にバスで助けて貰ったんだ。」 「バスで?痴漢にでも遭ったのか?」 「ハハ、まさか。初めてのバス通学でね、定期も財布も忘れてさ、でもバスに飛び乗っちゃったもんで、焦って困ってたら、高橋さんが声をかけてくれて、お金貸してくれたんだよ」 藍はその頃を思い出すように目を細めた。それを眺めながら関はふぅん…と返事を返す。 「そこから俺がずっと一方的に懐いてたんだよね」 「一方的?」 「ぁ…いや、仲良くしてくれてた。ガキ相手なのに、高橋さん優しくて」 苦い思い出でもあるのか苦笑いする藍を見ながら関は顎を撫でた。 高橋さんの藍に対する態度も親しかったわりにはどこかぎこちないと感じていた関は二人の間に何があるのか小さな興味を抱き始めていた。 「ごめんね!お待たせっ!行こうか」 会議室に戻って来た文也からはほんのりタバコの香りがする。 関は益々二人の関係が気になりながらも、クールな性格も手伝い、踏み込む事はなかった。 他愛も無い話をしながら居酒屋までを歩く。 文也は時折チラチラと藍の横顔を盗み見てしまうのをやめられなかった。 肩幅も身長も本当に変わってしまった。線の細かった当時の面影は笑った表情と、相変わらず艶の深いサラサラの黒髪くらいか。それに引き換え、自分は随分と疲れ切ったもんだと苦笑いを浮かべてしまう。 そんな些細な文也の様子を関はぼんやりと眺めていた。
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