200%君が好き!

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 同居というか、正確には彼氏であるセイヤの家に私が転がり込んでいる状態である。お互い職場が近かったこと、彼の住んでいるマンションの方がセキュリティが良かったこと(そもそも稼ぎが良いのはあっちだ)などの理由から、去年から私がお邪魔しているわけなのだった。向こうのアパートも最近は全然帰っていないし、もう完全に引き払ってもいいかなと思わなくもない。正直、家賃を無駄にしているだけのような気もする。  一緒に住むことを許されているし、私はアンパイの位置にいるとばかり思っていた。それは事実だ。まさか一緒に住んでいる彼女がいるのに浮気されるかもしれないなんて、想像もしていなかったのである。  というか、ヘタレな彼にそんな甲斐性があると思っていなかった、という方が正しいのだが。 「……セイヤが浮気なんてするとは、思えないし思いたくないんだけど」  私はコーヒーゼリーを一口食べて言う。 「私にバレたら殺される!みたいなこと言ってたのが気になってさ」 「うんうん」 「私がいつもよりちょっと早く家に帰ったら、露骨に慌てててさ」 「うんうん」 「……几帳面なセイヤが、ヤカンを火にかけっぱなしで忘れてたんだよね。それだけ電話に一生懸命になってたってことだよね」 「あー……」 「でもって、セイヤのスマホのロック番号がいつの間にか変わってた……」 「待て待て待て、それを把握してるのはどうなのよ!?」  流石にここは突っ込まれた。私だってわかっている、いくら彼氏とはいえ他人のスマホを勝手に見るのはどうかということくらいは。だから、見てしまったのはたった一回だけだ。彼がお風呂に入っている間に、それとなーく触ってみたらロックが外れてしまったのである。  その時は、私の誕生日がロック番号になっていた。なんだか嬉しさと恥ずかしさと罪悪感でいっぱいになり、ホーム画面を見ただけですぐに閉じてしまったのである。ちなみにホーム画面は、彼が大好きなポケモンの画像だった。私もポケモン大好きなので(むしろ、ポケモン繋がりで知り合ったのだ)それはまったく問題なかったわけだが。 「い、一回ちらっと見ただけだよ!ホーム画面しか見てないし!……ただ、前のロック番号が私の誕生日だったのに、それが変わってたのはちょっとショックでさ。ロック番号とか、そうそう変えるものじゃないよね?」 「あー……」  マイコは苦笑いをして、ぽん、と私の肩を叩いた。 「まあ、男はセイヤくんだけじゃないし!どんまいどんまい!」 「私がフラれる前提で話するのやめてもらえます!?」  とにかく、現状では彼が浮気をしているか、していないかは不透明だ。このままではずっともやもやしたままで終わってしまいそうである。  なんとかして、本当のことを知る方法はないだろうか。  もし本当に浮気しているとしたら、問い詰めたところで真実を話すはずがないのだから。
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