1人が本棚に入れています
本棚に追加
ピクニックに必要なもの
最近、魔王城のみんなは何やらそわそわしっぱなし。もうすぐ楽しいイベントが待っているようです。
淋しがり屋の魔王様、自分だけのけものなんてあんまりだ!と憤慨。
自分もそのイベントに行きたいと言いだしました。
「え、え、魔王様も行くんですか!?」
「なんだ、わしが行ったらまずいようなイベントなのか?というか何なのだそのイベントは」
「コ……じゃなかった、ピクニックです!」
「だったらいーじゃないか!わしも行かせてくれよう!」
「え、ええ……」
渋る部下に、魔王様は譲りません。仕方なく、ピクニックに行く場所と時間を魔王様に教えました。
「ピクニックに持っていく荷物はなんなのだ?お前は何を持っていくのか?」
「え、えっと……か、紙袋と、カツラと、口紅と、ドレスと、手鏡と、小銭と、それから……」
「ピクニックよな!?ぬし、わしをたばかるつもりか!騙そうと言ってもそうはいかぬぞ!」
「う、嘘じゃないですー!」
男である部下が、そんな淑女が社交パーティーに持っていきそうなものを持っていくはずがありません。魔王様は自分をはぐらかそうとする部下に対してだいぶおこです。
部下に頼るわけにはいきません。自分の荷物は自分で決めます。
「ふん、わしはお前みたいに非常識ではない!常識的にお弁当とか水筒とか持っていくぞ!」
もちろん、ちゃんとおやつは300円までです。
最初のコメントを投稿しよう!