ピクニックに必要なもの

1/2
前へ
/2ページ
次へ

ピクニックに必要なもの

 最近、魔王城のみんなは何やらそわそわしっぱなし。もうすぐ楽しいイベントが待っているようです。  淋しがり屋の魔王様、自分だけのけものなんてあんまりだ!と憤慨。  自分もそのイベントに行きたいと言いだしました。 「え、え、魔王様も行くんですか!?」 「なんだ、わしが行ったらまずいようなイベントなのか?というか何なのだそのイベントは」 「コ……じゃなかった、ピクニックです!」 「だったらいーじゃないか!わしも行かせてくれよう!」 「え、ええ……」  渋る部下に、魔王様は譲りません。仕方なく、ピクニックに行く場所と時間を魔王様に教えました。 「ピクニックに持っていく荷物はなんなのだ?お前は何を持っていくのか?」 「え、えっと……か、紙袋と、カツラと、口紅と、ドレスと、手鏡と、小銭と、それから……」 「ピクニックよな!?ぬし、わしをたばかるつもりか!騙そうと言ってもそうはいかぬぞ!」 「う、嘘じゃないですー!」  男である部下が、そんな淑女が社交パーティーに持っていきそうなものを持っていくはずがありません。魔王様は自分をはぐらかそうとする部下に対してだいぶおこです。  部下に頼るわけにはいきません。自分の荷物は自分で決めます。 「ふん、わしはお前みたいに非常識ではない!常識的にお弁当とか水筒とか持っていくぞ!」  もちろん、ちゃんとおやつは300円までです。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加