24人が本棚に入れています
本棚に追加
グループチャットでの誘いが来た際には、俺は彼女は来ないだろうと予想していた。しかし、女子一人では心もとないという理由で、惠美が強引に説得をしたようだ。
比較的何事にも動じない自信のある俺ですら、あまりにもリアルな廃校という場に少しの恐怖を感じたのだ。
怖いものが苦手な西村であれば、その心中には相当の恐怖心や後悔が渦巻いていることだろう。
「大丈夫だよ一穂! アタシもいるし、男共も三人もいるんだし! ちょーっと頼りないかもしんないけどさ」
「ちょっと待て、他はともかく俺は頼っていいだろうが」
励ます惠美と勝行のやり取りに、強張っていた西村の表情が少しだけ和らぐ。
近年のVRは、プレイヤーの表情もある程度の反映をしてくれることに、俺は場違いな感動を覚えていた。
最初のコメントを投稿しよう!