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02:校内探検
「とりあえず、リアルと同じで23時くらいの設定にしてきたから結構暗いし、各自アイテムに懐中電灯入ってるだろ。それ使って照らしてくれ」
勝行の指示に従ってアイテムボックスを開いてみると、確かに懐中電灯だけが入れられている。
それを選択して試しにスイッチを入れてみると、より臨場感が増したように思えた。
裸眼で見える校舎の中は、窓から射し込む月明かりのみが頼りとなっている。ある程度は目視することができるが、やはり明かりがある方が安心感は段違いだ。
何より本当に廃校を訪れているようで、リアリティが増すようにも感じられた。
「勝行、コレってマップは使えない設定?」
洋司が問いかけると、勝行が頷いたのが見える。自分でも確かめてみるが、確かにこのゲームで使用できるはずのマップを開くボタンは反応を見せない。
「おう、その方がリアルっぽいだろ。実際に廃校探検行ったとしたら、マップなんかねえんだしよ」
確かに勝行の言う通り、リアルの世界ならマップを見ながら肝試しはしないだろう。
どこに何があるかわからない、その不明瞭さが肝試しの恐怖を引き立たせてくれるのだ。
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