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日本人なら誰もが知っているであろう、少年ジャンプ代表作でもあり、国民的アニメ「聖闘士星矢」の35周年が2021年に行われた。
※実際は知らないです。
一児の父となった瞬は、5歳になる息子の星矢を肩車し近くのイベント会場から帰宅する。どうやら瞬の父の世代から聖闘士星矢の大ファンのようで、瞬の父は息子にアンドロメダ瞬と同じ字を、そして孫の星矢にはペガサス星矢と同じ字を命名した。
「お父さん!今日は楽しかったね!作者の車田正美先生にもあえて、サイン入りの色紙ももらえたし!嬉しいなー」
星矢は聖闘士星矢の作者の車田正美先生の手書きのサイン入り色紙を眺めて嬉しそうにする。そして本日は家族みんなで夕食があり、星矢の大好物のエビフライを食べる日だった。星矢にとってはこんな嬉しいことはなかった。
瞬は会場近くの自宅に帰る際に、いつもの道を歩いてゆく。だが朝来たときは通れた道が、夕方には工事で通れなくなってしまっていた。
「ご迷惑をおかけします。ただいま工事中でして。徒歩でしたらあちらの道からお通りください」
工事現場のおじさんが指した道、そこは一方通行で車両進入禁止の道だった。初めて通る道だが、こちらからも帰れるだろう。
「あー、この道、赤い丸に白い線が入ってるだろ?車両進入禁止っていって、車は入れないんだよ。星矢、とりあえず肩車のままだと入れないから降ろすな」
瞬はそう言って肩車をやめて星矢を地面に降ろす。そして買い物袋の中から車海老が入ったパックを出し、星矢のもっていた聖闘士星矢の車田正美の直筆サイン入り色紙を地面においた。
「車両進入禁止だから車は入れないから、車田先生のサインと車海老は置いていこうな。それじゃあ行こうか」
「え?お父さん!車海老と車田先生のサイン置いてっちゃうの!?」
星矢が悲しそうに懇願すると、瞬は星矢の手を引き、車両進入禁止の道に入っていく。
「交通ルールだから仕方ないんだよ。車は入れないの。通行ルールは守ろうな」
「お父さーん!車海老と車田先生のサイン持っていこうよー!」
星矢の泣き叫ぶような声を無視し、瞬はその2つを置いたまま、進んでいった。ま、多分一輝兄さんがあとは拾ってもって返ってくるから大丈夫でしょう。
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