0人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、真白さんが色白なのって……」
「うう、そうなの。人間っぽくはしてるつもりなんだけど、どうしてもそれだけは隠せなくて。白すぎて変でしょ?」
「そんなことない」
「え?」
羽田君はきっぱりという。
「俺は真白さんが色白なところがすごくいいと思った。それに俺、真白さんの顔、好きだよ」
「……! 本当に?」
「一目惚れ、だったから」
頭が混乱する。私がコンプレックスに思ってたこの顔に一目惚れ?
それに、羽田君も妖怪で……。
それなら何も問題は無いわけで。
「だから、改めて。付き合ってもらえますか?」
本当に改まった口調で羽田君が、私の方に手を伸ばしながら言った。
これは、OKだったら手を取れということ?
私は。
「もちろん」
羽田君の手を取った。
妖怪同士なら寿命の問題だって関係ない訳で。ずっと一緒にいられるってことだ。
妖怪は人間よりずっと寿命が長い。だから、人に恋した妖怪は悲劇だ。好きな人に必ず先立たれてしまうのだから。
「そっか羽田君、天狗だったんだね。天狗と雪女なら、結婚も大丈夫かな……」
「えっ!?」
「あっ!?」
思わずそんなところまで考えてしまって口に出してしまった。
そして、私たちは手を繋いだまま固まってしまったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!