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うそだろ。。
俺は、今まで持っていた単語帳を落としそうになった。
なぜ、ここに。あいつがいるんだ。
動揺をかくしきれないじゃないか。大丈夫か。俺。
ここは毎週通っている栄光セミナー。高校受験のための塾だ。
あいつが近づいてきた。
あ、そうか。隣の席なのか。
「おう。今日から?」俺はさりげなく聞いた。
「うん。そう。田中くん、久しぶり。」
まったく、いつも通り無愛想だ。ほんとは緊張してるくせに、そんな素振りをみせないで堂々としている強気なところ。お前らしいけど、初めてなんだからもうちょっと愛想よくしておかないといけないんだぞ。ここは塾とはいえ、学校の延長なんだからな。もう、ほんとに。と、言っちゃいそうだったけど、余計な事をいいそうだったのでやめた。大変なことになる。俺が。
そんな勝気なところが俺は好きなのだ。可愛いすぎる。なんて可愛いんだ。
言い方も、しぐさも。あの頃からちっとも変っていない。
そう。あれは小学校3年生のころだ。
「田中くん、」
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