カルマ

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カルマ

PERIoUS(ぺりおす)」と書かれた表参道にあるおしゃれな会社の事務所にある、楕円の会議用のテーブルを5人で囲み、初めての打ち合わせをしていた。 今までにない緊張感。 ここに来るまで長かった。 ここまできて、絶対に失敗はできない。 「今回担当させていただく東上と申します。よろしくお願いいたします」 私は名刺入れからサッと名刺を出して、初めての挨拶をする。 相手は、ずっと前から知っている憧れの映像クリエイター、 押田(おしだ)(おさむ)。 髪は金髪で、虹色のパーカーに紫の短パン。身に付けているものは派手で、見た目はやたらチャラい人。 だけど、今はすごく真剣なまなざしが私に刺さっている。知っているイメージよりずっと真面目そう。 「東上さんって、TJMなんですよね? 俺、あなたの作ったサイト何コか見て、ぜひお願いしたいと思っていたんです。 で、所属する制作会社を調べて、直々にお願いさせていただきました。 え、もしかして、TJMって、とうじょうめいのイニシャル?かっこいい」 私の名刺を見て、感嘆の声を上げ、 私を目踏みするように見ていた表情がふっと緩むと、よくSNSで見かける笑顔になった。 「光栄です。私も、押田さんの作品は、いつも拝見しています」 「え、マジで? 俺のこと知っててくれたなんて、うれしい」 私の3年計画の一つ。 彼の知り合いと知り合いになること。 そのためにこの世界で、できるだけマスコミの近くをウロウロして仕事をしていたんだ。
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