十年越しの告白

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 「堀田?準備できた?」  「うん、いけるよー」  夜の十時を回った頃、二人はスマホのゲームを始める。始めたばかりの頃は大して危害がなかったこのゲームも、やり込めばやり込むほど容量が重くなり堀田は他のアプリを消さざるを得ない状況まで来ていた。  「うわ、また負けたわ」  「加藤が弱すぎんだよ」  「んなことないよ」  「もっかいやろ」  「よし、きた」  二人はもう何回も試合をしたが、結局勝ち残ることは出来なかった。ゲームの音楽だけが各々の部屋に響く。  「やっぱ中々勝てねぇな」  加藤が口を開いた。  「うん、レベルが上がると対戦相手も強くなるからね」  「まじかぁ、絶望じゃん」  「安いな、お前の絶望」  「そか?俺今、絶望した表情してるぞ。多分」  「加藤、そういう表情良くすんじゃん。しかもよく謎なタイミングで」  「それは、わかんない時だな、きっと」  「あー、授業の内容とかね。俺は全部わかんないからもはやそんな顔しないけど」  「それもどうなんだよ。というか、堀田はどんな時絶望した表情すんの?すげぇ、気になる」  「うーん、大事な人に裏切られた時とかじゃね」  「重っ」  「そういうもんだろ。多分、お前には一生見せる事ねぇよ笑」  気づけば十二時を過ぎており、二人は「また明日」と言葉を交わし、眠りについた。
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