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次の日、堀田がいつもの時間の電車に乗ると、そこにはいつものように加藤の姿があった。
「おはよ」
「おー、おはよ。昨日あの後すぐ寝た?」
「いや、目が冴えちゃってさ」
「何してたん?」
「YouTubeみてた」
「あー、この前好きって言ってたやつ?」
「いや、あの人たち解散したから」
「へぇー、そうなんだ」
「うん。なんか最近急にアンチが増えてやむを得ず解散みたいな。だから、今度は別の見てる。この人たち知ってる?」
「いや、知らないな」
二人は電車に揺られながら、生ぬるい朝の気温を感じていた。
この日の授業は移動教室ばかりだった。堀田は数学の授業に、加藤は政治・経済の授業へと向かおうとしていた。
「そういや、お前なんで社会系にしなかったの?文系なのに」
「いや、数学使うかもしれないから。まだ大学悩んでんだよ」
「一番近いとこかと思ってた」
「あれ?言ったんだっけ。そう、でも学科はまだって感じかな」
「そか、あ、やべ。チャイム鳴る。じゃあまた後でな」
「うぃ」
加藤は授業が終わると誰よりも先に教室に戻った。お昼のチャイムが鳴る頃には、加藤はお昼を食べる準備ばっちりだった。
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