十年越しの告白

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 それから加藤は勉強を続けた。大量に持って来た参考書の中からニ、三冊取り出してそれを順番に解いていく。辞書を取り出そうと、加藤はリュックを開けた。そこにはまだ手をつけていないたまごサンドの姿があった。加藤は誰が見ているわけでもないのに、それに気づかないふりをして勉強を続けた。    ふと加藤がスマホを確認すると、タイマーは残り三十秒になっていた。加藤はタイマーを止め、帰る支度を始めた。加藤は少し急ぎながら図書館を後にし、図書館を出てすぐのところにある自販機で、コーラを二本買って行った。  「え?加藤?」  図書館からしばらく行った信号のところで、加藤は声をかけられた。  「おー、堀田」  「なんでまたいんの」  加藤はその言葉に眉を少しだけ上げた。  「図書館だよ。俺ら本当よく会うよな。運命感じるよ、ここまで来ると」  「そうだな、全部偶然だもん。すげぇよ。そういや、図書館はテスト勉しに?」  「そー、難しいすぎて詰み(つみ)〜」  「…そっか、お前頭いいのにな」  「…。あ、これやるよ」  「え、コーラじゃん!ラッキー」  「そんな飲みたかったの?」  「いや、今日豚の角煮作ろうと思ってて」  「え?コーラで?」  「そー」  二人は少しずつ暗くなる道を歩いていく。太陽が沈むと山の隙間から日が溢れて眩しかった。  
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