十年越しの告白

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 堀田の誕生日当日。特に何か起きるわけでもなく、いつも通りの日常が過ぎていった。  他の人たちは気づいていないようだったが、今日の堀田の様子は明らかにおかしかった。不安になった時にやる腕を組む癖、何かを誤魔化す時の頭をかく癖。  加藤は、この異変に気づいているのは自分だということに気づくと、なんだか気分が良かった。  自分だけが堀田の変化に気づいているという優越感。  加藤は自分が抱くこの感情が少し人とは違っているということには随分前から気づいていた。  だが、名前も知らないこの感情を人に明かすことは決してなかった。  二人はいつも通りの日常を過ごした後、放課後を迎えた。堀田はいつもと同じように「帰ろうぜ」と言っていたが、その声はかすかに震えていた。  二人はいつもよりも少ない会話で道を歩き続けた。加藤はぼーっと空を眺めたり、猫の鳴き声に反応したりする一方、堀田は目の前の道だけをただまっすぐに見つめていた。  公園に着くと、二人は足を止め、どちらからともなくベンチに向かっていった。このベンチは二人が一番最初に出会った場所だった。二人の関係はここから始まったのだと、加藤はうっすら思い出した。
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