急変

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彼女はじっとしているだろうか。それとも、さっきの揺れと噴火の爆音に驚いて、さらに森の奥に移動してしまったか。仮にそうだとしても、足を怪我していると言っていたから遠くには行けないはずだ。 孝介は樹木に印をつけながら歩いた。 幸い、二人の進路は噴石の飛ぶ方向からは外れているようだ。しかし、いつ状況が変わるかわからない。 「…ああっ!」 「どうした!」 柚子が足元を指差す。 「里香のスニーカーだわ!」
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