勝者と敗者の間に

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 打ち上げはレース会場近くの馴染みのバーで行われた。  俺はかねてより狙っていたこのバーで働くレティシアの目の前に車のキーをちらつかせた。 「なあ、レティシア。仕事終わりにドライブ行こうぜ」 「どうしたの……これって、あの有名な超高級車よね」  キーの側面に描かれたロゴを見て、彼女は目を輝かせた。 「優勝者への贈答品さ、なんなら運転させてやってもいいぞ」 「えっ、すごぉい! 仕事終わる頃に声かけるわね」  俺に向かって小さく手を振ると、彼女はブルネットの髪を靡かせてカウンターの反対側へと向かって行った。
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