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「人が貰った奴を横流しして貰ったチョコなんて嬉しくもねぇし、お前が貰ったんなら責任をもって食えよな」
「お、珍しく真面目な事を……お父さん嬉しいよ」
「新月、茶化すんじゃねえ」
わざとらしい嘘泣きをしてみせる新月にツッコミを入れながらリオの顔を見る。新月の冗談に苦笑いしているようだったが、それとは別の寂しさのようなものを漂わせていて、どうかしたか聞こうと思ったその矢先。
「なんだよ去年も食べたくせに」
顔は笑っているがどうも棘のある言葉。
机の横に立つリオの顔を見つめる。何が言いたいのだろう。
「小学校最後のバレンタインな」
「ナガトも貰ってたね」
「まあ義理だけどな」
「ふーん。本当に義理?」
「あ、ああ。クッキーにチョコペンで義理って書いてあったからな」
それを言うと新月もリオもケタケタと笑いだした。正直なんかホッとした。
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