中学一年生の二月某日

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 四時間目ともなると腹が減って仕方ない。国語で連体修飾語だの連用修飾語だのをノートに書きながら、頭の中は献立表に書いてあった蓮根とごぼうの煮物でいっぱいだった。  給食にチョコがついていた。個包装で一口サイズのハート型。学校の粋な計らいなんだろうけど、他の献立がごはんにゆかりのふりかけ、蓮根とごぼうの煮物、なんかよく分からない焼き魚、牛乳……。なんで学校の給食って和食でも牛乳を出すのだろう?  五・六時間目に図画工作で本棚を作った。夏休みに全く同じことをやったなーと思い返しながらさっさと終わらせて、手こずるリオの手伝いをした。オレの本棚より出来が良くてちょっと後悔した。 ***  はい、チョコカウントゼロでフィニッシュ。  三人で下駄箱をチェックしてオレだけがゼロだった。 「おいおいマジかよ」 「それはボクが言いたいよ」
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