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ここはとある町。
この町には他の町にはない妙なものがある。
道という道にマス目がありすごろくとなっているのだ。
あるマスには『三マス進む』、あるマスには『五マス戻る』と一般的なすごろくにもあるものから『誰かと挨拶するまで動けない』や『時間短縮』といったマスまである。
学校は全てリモートで行われる。
登校できないことが多いからである。
その日の講義内容もサイコロを振って出たものを行う。
このサイコロに書いてある講義内容はいつも違っていて一つ何かが出るとそれに代わって別の講義内容が入るのだ。
そして中々出ない講義は確率を上げるために何面かに書かれる。
そうして学習を進めていく。
何より困るのは外出だ。一度出たら目的地に着くまでどれほどかかるかわからない。家に帰るには三十分間同じマスにいると瞬間移動によって飛ばされる。この時間を短縮するのが『時間短縮』マスである。
そこで誕生したのが浮遊自動車である。
これはマスの影響を受けずに縦横無尽に空を飛び回る。これにより家にいても買い物ができ配達が可能になった。
しかし認可されたのは配達だけであって一般の住民が使用するのは重罪とされていた。
そんな町に一つだけ存在するマス目がある。そこは『同じマスに止まった人に告白する』というもので噂では、告白が成功した人のみこの町から脱出して生涯を添い遂げるらしい……。
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