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たったの10日間しかいない人なのだからと思って、朝美は彼女にとって大切な場所である、自宅の庭に彼を招きました。
そこから見える大きな川や広い空や街の木々などの景色を眺めて、彼は言います。
「オレは誰とも話せなかったから、家の近くにある自然だけが味方だった。
お互いに言葉を交わせなくたって、いつでもそばにいてくれたから」
それからの10日間、ふたりは時間の許す限り、一緒に街を歩きました。
公園や街路樹などのわずかな自然を探索してみたのです。
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