File:3 桜木吾郎

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File:3 桜木吾郎

……あの……取り調べ室って こんなに重い空気が張り詰めている場所なんですね。 刑事さんから何か場を和ます為に 冗談の1つでも言ってくれるのかと 思ったら、沈黙でプレッシャーを かけるタイプの刑事さんなんですね。 え?当日何してたかって 刑事知ってるでしょ。 僕は1日中部屋にこもって ゲーム三昧ですよ。 こう見えて僕プロゲーマーなんですよ。 しかも大会が2週間後に迫ってるし 本来であれば こんな取り調べなんかに 付き合ってる余裕などないんですけどね。 ただ……幸の事を殺したやつが憎くて 協力したまでです。 幸とは付き合ってました。 知ってるかも知れませんけど 僕と幸は幼なじみで 性別は違えどいつも一緒に 遊んだり、勉強したりと 何をするにも幸と思い出を創っていました。 それが、まさか俺達が住んでいる 誰かに殺られるなんて…… なんなら僕達結婚の話まで出てたのに 未来を奪われたんですよ! 一緒にハワイで挙式を盛大に 上げようって 笑いながら幸のウエディングドレス姿を 想像しては満腹の幸せが 溢れ出たのに……。 もう今は誰とも話したくないんです。 僕は何も知りません。 仮に知ってたとしても警察には話しません。 自分の手で犯人を殺します。 殺すのには幸いFPSをやり込んでいるおかげでそれなりの暗殺術は取得しているので 躊躇いなど残っていません。 今、なんて言いました? 僕が幸を殺したって証言した人が 居るって? 誰ですか!そいつ! いいですよ、教えられないなら シェアハウスの人間 片っ端から殺しますよ。 幸と同じ苦しみを味わってもらわないと いやそれ以上かな。 刑事さん、もう一度聞きます 虚言の証言を吐いたのは誰? 岡田? 自らが殺人したのを 隠すために俺に濡れ衣を着せるのが狙いか ありがとう、刑事さん感謝します。 いえ、殺したりなんかはしないですよ。 すぐには。
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