1.8ゴールド50シルバー

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 約1ヶ月前、コンラッドは騎士になる夢を追うため、従者のオーウェンと2人で逃げるように屋敷を飛び出し、遠い王都へやって来た。入団試験に合格し寮に入った2人だが、そう都合よく行くはずがなく、部屋が離れてしまった。世話を焼く人間がいなくなったコンラッドはすぐに、ネクタイが結べない、1人で風呂に入れない、食事の買い方が分からない、と同室の男を困らせてブチ切れさせる。買い物を辛うじて覚えたかと思うと、料理をしようとして曖昧なやり方で火をつけ、部屋でボヤ騒ぎを起こす。入寮から訓練が始まるまでの僅かな期間でそれだけやらかしたものだから、特別措置としてお守役のオーウェンと一緒になるよう部屋割りを変えられる始末だ。  今の生活になるまでお金など自分で持ったことはなく、18歳にもなって金額の価値はもちろん、硬貨の種類すらよく知らない。逃げ出したときに持ち出した財布は基本的にオーウェンが管理していた。新しく揃える必要があった服などの生活用品や食事、寮に入れるまでの宿代などにかなり使ってしまったが、まだ庶民から見れば大金と言える金額が残っているはずだった。
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