文章の基本は5W1H

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文章の基本は5W1H

 夢の中に、神さまらしき年寄りが現れた。  老人はいう。 「おまえの文章は、なってない!」 「はぁ、そうですか」 「わしが、基本を教えてやる! まずは5W1Hを覚えろ!」 「それは知ってます」 「むっ!? まぁ、聞け」 「はぁ」 「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように。これを略して、5W1H!」 「なんか、ごだぶりゅーいちえっち、いいたいだけでは?」 「そ、そんなことはない!」 「あと、英語でいわないと。それ略しても『いどだななど』ですよね? 井戸だ七度。呪いの儀式です?」 「そうそう。井戸に七度、呪いのわら人形を……って、違うわ!」 「のりつっこみ!」 「こほん。ならば、『5W1H』と『いどだななど』、どちらが覚えやすいか、考えてみよ!」 「井戸だ七度」 「帰れ!」 「はいな」 「待て待て! ほんとに帰るやつがあるか!」 「え? でも」 「でももデーモンもない! いいか、広く知られているのは5W1H!」 「はぁ」 「想像するがよい! 草が5つ並んで、そのはしでHというさまを! 覚えやすかろう?」 「へ、変質者だー! お巡りさんここです!」 「ちがっ! まて! おま!」  お巡りさんに連れられて、神さまらしき年寄りが去ったところで目が覚めた。  今思えば、彼は神さまではなく、悪魔だったのかもしれない。  悪魔だけに、去ったん! とかいって。 ――今日はいつもより寒いな。そう感じた。 <おしまい>
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