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その後も少し雑談をした後に2人は去っていき、先輩と顔を見合わせる。
「あの2人がここであんな風に立ち止まるの、初めてよね?」
「そうですよね、どうしたんですかね?」
「2人とも、私に彼氏が出来て惜しくなったのかしらね!」
冗談っぽく言い出した先輩には思わず自然に笑ってしまい、一時期本気であの2人を狙っていた先輩を横から眺める。
「永家さん、あの2人どっちの方がタイプ?」
「え、1人はイトコなんですけど。」
「じゃあ増田さんの方?
増田さんとは中学、高校、大学と一緒だったんでしょ?
恋愛とかにならなかったの?」
「私には小さな頃から婚約者がいたんですよね。」
「小さな頃からいたの?
それはご苦労様な話ね。
私は正直な話、増田さんの方がタイプで。」
「そうなんですか?
あんなに副社長の時は凄かったのに。」
「副社長の方が女の気配が薄くていける気がしたのよね。
でも増田さんの方がタイプ。
あのくらい柔軟な男の方にワガママ言いたいのよね。」
その言葉には私は心の中で笑ってしまった。
「増田さんって柔軟なんですか?」
「そうじゃないの?
学生時代どうだったのよ?」
「向上心しかないタイプで、めちゃくちゃ頑固な性格してましたよ?」
そう言って、驚いている先輩に笑った。
中学から同級生だった増田君のことを。
でも、小学生の頃から知り合いだった増田君のことを。
そして、昨日あんなことをしていた相手。
私の彼氏である増田さん、増田譲のことを。
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