好き好き大好きの嘘

1

「今日も御馳走様でした。」

トイレから戻ると今日もこの男の子がお会計を済ませてくれていて、2人で並んで・・・ではなく、この男の子の半歩後ろを歩く。

そして、エレベーターのボタンを押してくれたこの男の子の隣に並び笑い掛けた。

「今日、この後どうする？」

ホテルでもあるこの大きな大きな建物、そこのエレベーターでこの人に聞くとこの人は優しくて穏やかな笑顔で言ってきた。

「ごめんね、さっき会社から連絡があって少し会社に行かないといけなくて。」

その言葉を聞いて、“今日はしないのね”と物凄く安心してしまった。
そしたら、開いたエレベーターの扉を押さえてくれたこの男の子が優しく笑いながら私のことを見詰めてきた。

「夜にもう1度会えるかな？」

そう聞かれ・・・。

そう聞かれてしまって・・・。

少し考えてから、私は笑顔で頷いた。

今日は夜にもう1度会ってからそういうことをするらしい。