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お母さんが鋭い顔でそう言った時、家の門が開きそこから増田君のおじいちゃんとおばあちゃんが入ってきた。
増田君のおじいちゃんは優しい顔でおばあちゃんの手を引いていて、穏やかに笑っている。
増田君が増田ホールディングスの代表取締役に就任してから会長職も辞任し、今は普通のおじいちゃんの姿になっているであろう増田君のおじいちゃんを見ていると・・・
「うちのおばあちゃんの親友なんだよね、奥さんになった人。」
お母さんの言葉に私はまた驚いたけれど、うちのおばあちゃんが増田君のおばあちゃんにゆっくりと抱き付いた姿を見て私は自然と笑顔になった。
「“増田”の後のことは親友に任せたって。
あの人ならきっと“増田”の全てを包み込んで愛してくれる“愛”があるからって。
増田君のおばあちゃんはおばあちゃんで、親友の婚約者をずっと好きだったみたい。」
おばあちゃん同士が抱き合う中、おじいちゃん同士は握手をしている。
増田財閥と永家財閥、2人の“元主”が握手を・・・。
うちのおじいちゃんも先日会長職を辞任したから。
そんな凄い“愛”の未来を眺めながら、私はお母さんに聞いた。
「お父さんとお母さんはどんな凄い“愛”があったの?」
「私はお姉ちゃんの婚約者だったお父さんに腹が立ってて。
信之みたいな感じで永家の“主”には力不足で、それにイライラしてお父さんに勝手に教育しちゃってたの。
そしたらいつの間にかお父さんのことが好きになってて。
どうしようかと思ってたら・・・お姉ちゃんが的場製菓の副社長から妊娠させられちゃった!!」
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