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そして、翔子と2人で家の庭へと出た。
それに気付いたみんなが私達のことを嬉しそうな顔で笑ってくれている。
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
和と妙子ちゃん、それぞれのお相手、それから和と妙子ちゃんの両親。
そして増田君のお父さんとお母さん、おじいちゃんとおばあちゃん、一夜君のご両親も。
そんなみんなに笑い返していた時、スーツ姿の増田君と一夜君が近付いてきた。
「すげー格好だな、お姫様達。」
「翔子さん、メイク俺がしましょうか?
そのドレスに似合うように出来ますけど。」
私のドレスを着ている翔子。
でもポニーテールでお化粧もいつもの翔子のまま。
「これでいいの!私は!
そもそもドレスなんて着たくないし!!
結子のワガママに付き合ってるだけ!!」
翔子の返事に一夜君が面白そうに笑って手を差し出した。
「歩きにくいですか?」
「全然、だって下これだし。」
翔子が両手で無造作にドレスを持ち上げ足を見せた。
それに一夜君も増田君も大笑いをしている。
私が着ていた真っ白なドレスを着た翔子。
でもその下はジーパンとスニーカーのまま。
「お前、ドレスの下にジーパンとスニーカーとかどんなお姫様だよ!?」
「こんなお姫様ですけど。
それよりも結子の方にも言ってやってよ。
もっと可愛い服いっぱい持ってるのに、私がさっき譲から“一夜に見せてやれ”って渡されたこの服着てるんだけど。」
翔子が不機嫌そうに増田君に言うと、増田君は優しい笑顔で私のことを見てきた。
「結子にはこれが1番似合うよ。」
的場製菓の受付の制服を着た私にそう言ってくれた。
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