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そう聞いてくれ、私は素直に頷いた。 「ハッピーエンドが1番だからね、一夜君も本当にありがとう。」 「分かる分かる、ハッピーエンドが1番だよね。」 一夜君がそう言ってから翔子の手を掴んだ。 翔子が全然手を出さないから。 「結子と一夜って映画とかドラマの趣味似てるよね。 私には理解出来ない内容のやつ。」 「だな、俺にも理解できないやつ。」 増田君が翔子に答えながら私の右手を優しく握ってくれた。 「譲、今度2人でアクション映画でも観に行こうよ。 結子が私になってる時だけしか映画観に行かなかったし。」 「嫌だよ、何が楽しくてお前と2人で映画観に行くんだよ。」 「別れても映画くらいはまた2人で観ることもあるだろって“私”に言ってたじゃん。 それで一夜と結子は恋愛映画でも見てればいいからお互い楽じゃん。 譲だって恋愛映画とか興味ないでしょ?」 「そうだな、俺にはイトコ同士で恋愛する映画とか理解不能だしな。」 増田君がそう言いながら私の右手を引き歩き始めたので、半歩後ろを歩きながら一応言っておく。 「私が中学の時にハマってた漫画のことだよね? それ、イトコの男の子とじゃなくて“もう1人”の男の子の結ばれた最後なんだよ?」 「・・・マジで? あそこからそんな最後に持っていったのかよ、作者破天荒だな。」 「人気投票とかファンレターで“もう1人”の男の子の人気が高すぎたからそうなったみたい。 途中から“もう1人”の男の子の魅力に主人公の女の子が気付いてきて綺麗な展開ではあったけど、王道の少女漫画の展開ではなかったけどね。 でもあの漫画を越える恋愛マンガやドラマ、映画に私はまだ出会えてないどね。」 私がそう言うと増田君の横顔が少し怒った顔になった。 「俺がいるだろ、俺が。 実物がすぐ隣にもういるだろ。 結構格好良い俺がいるのに何が恋愛映画だよ。」 いつも私には優しい口調の増田君が珍しくこう言ってきて、それには大笑いしながら増田君の横に並んだ。 半歩後ろではなく、隣に。 「もう私以外の人とデートしたらダメだからね、“モテモ・・・”な増田君!! 翔子ともダメ!!」 「それは結子もだからね、一夜ともダメだから。」 増田君と私のお互いのワガママはこれくらいで終わったけれど、翔子の方はみんなの所に着くまでずっと一夜君にネチネチと言い続けていて増田君と2人でずっと笑っていた。
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