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翔子だった“私”とは盛り上がったことがある先輩との会話。 私との会話で初めてここまで盛り上がり、この日は夕方まで時間が空けば先輩と色んな話をした。 「増田さんが増田ホールディングスの社長になったのに的場製菓では副社長秘書のままとか、あの人やっぱり普通じゃないわよね。」 「そうかもしれないですね。」 「永家さんだって永家のグループ会社どこにでも入れるのにこんな会社の受付とか。 なんで的場製菓の受付なのよ? 増田さんがいたから?」 そう聞かれ、それにはすぐに首を横に振った。 「私は的場製菓のお菓子が大好きなんです。 食べたことはまだ1度しかないんですけど、それでも大好きで。 カラフルな夢が詰まっているようなお菓子を作っているこの的場製菓が、私は好きで好きで大好きなんです。」 私が素直な気持ちを伝えると先輩が驚いた顔になった。 「それ、全く同じ言葉を増田さんも言ってたわよ? 前に増田財閥の会長が押し掛けてきて増田さんが本家の長男だって分かった時。 あの時に増田さんに思わず聞いちゃったのよね、的場製菓にいる理由を。 そしたら永家さんと全く同じ言葉を言ってた。」 「そうだったんですか・・・。」 「良かったじゃない、お似合い夫婦よ。 大きな家の人間なのにウサギ小屋みたいな家に住んで2人で満足してるんでしょ?」 「・・・妹ですよね?」 「そう、永家さんの休憩中にまた来たわよ。 永家不動産が所有してるマンションのパンフレットを持って。」 先輩がまた私にパンフレットを渡してきて、受け取るだけは受け取った。 家具家電も良い物を揃えてくれていてすぐに住める状態だった増田君の前の家。 そこに2人ですぐに住み始めたことで翔子が意外にも寂しがってくれていて。 一夜君がもう少しで翔子と一緒に暮らし始められるから、それまでのことだとは思うけれど・・・。 そんなことを考えていたら、増田君が和と並んで受付まで歩いてきた。 「結子、今日早めに上がれそうだから一緒に帰ろう。」
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